インドの紅茶

インドの紅茶の歴史

インドの主な紅茶産地

インドの主な紅茶生産地。

インドは世界有数の紅茶生産国であり、世界一の消費量を誇る国でもあります。意外にもインドに紅茶をもたらしたのはイギリス人だといわれています。イギリスはそれまでの中国の紅茶生産の独占を破ろうと中国のチャノキの種子を使い、栽培方法を真似てアッサム地方での紅茶の生産を発足させました。

また、1823年にはイギリスのロバート・ブルースはアッサム地方の密林でインドに自生する茶樹(アッサム種)を発見し、翌年、ロバート・ブルースの弟に当たる、C.A. ブルース(チャールズ・アレクサンダー・ブルース)が現地のジュンポー族の首長、ビーサ・ガムからその茶樹と種子を受け取ったとされています。しかし、実際は現地の人々はその茶樹の存在を古くから知っていて、薬用に使っていたと言う説もあります。

アッサム種は中国種と比べ、葉が倍くらい大きく、収穫量が多いために生産は盛んになり、今ではインドで一番生産量が多い茶種です。

ダージリン地方での紅茶栽培は1841年にA.キャンベル博士が始めたとされています。キャンベル氏は中国から奪ってきたチャノキの種子を自宅周辺にまき、試験的に栽培を始め、ダージリン紅茶が生まれました。今では世界三大紅茶の一つと言われるほどまでに有名になりました。

 

ダージリン

世界三大紅茶のひとつであるダージリンはヒマラヤ山脈山麓にあるダージリン地方で中国種の紅茶から栽培されます。「紅茶のシャンパン」と称されることもあり、セカンドフラッシュ(夏摘み)のものはマスカテルフレーバー(マスカットフレーバー)と呼ばれる豊かな香りが特徴です。ファーストフラッシュ(春摘み)は爽やかで清清しい香りが特徴で日本では特に人気があります。オータムナル(秋摘み)はやや渋みがあり、濃厚な味わいはミルクティーに最適です。

 

CTC製法で作られたアッサム紅茶

CTC製法で作られたアッサム紅茶。CTC製法で作られた紅茶は丸い形状の粒々が特徴的である。

アッサム

アッサム紅茶は低地に位置するアッサム地方が産地でアッサム種の茶樹から作られます。インドで一番生産量の多い紅茶で、生産されるアッサム紅茶の約8割はCTC製法で作られます。CTC製法で作られたアッサムは味が濃厚で、ミルクを入れても紅茶の風味が損なわれないため、ミルクティーに向いています。また、アッサム紅茶を含んだブレンドはよくブレクファースト・ティーとして売られています。リーフタイプのものも売られており、香り高いセカンドフラッシュのものが良質だとされています。

 

ニルギリ

ニルギリは「青い山」という意味を持ち、ニルギリ紅茶は青い山に囲まれた西ガーツ山脈の南部で作られています。気候的にも地理的にもスリランカに近いため、ニルギリ紅茶の味はセイロンティーに近いと言われています。茶葉の多くはCTC製法で加工されますが、OPやBOPのものも作られています。

 

カングラ

カングラ紅茶はインド北部のヒマーチャル・プラデーシュ州のカングラ渓谷で栽培されています。1850年代にイギリス人がこの地で寒さに強い中国種の紅茶を植えたのが始まりとされています。カングラ渓谷で生産される茶は全てこの変種の茶樹からで、カングラ渓谷では紅茶のほかにも中国緑茶と同じ製法で作られる緑茶が作られています。

 

ドアーズ

ドアーズ地方は東ヒマラヤ山脈の山麓に位置し、ここで生産された紅茶は主にCTC製法で作られます。