中国紅茶

中国は紅茶の原点で、14世紀から17世紀ごろに初めて作られたとされています。中国紅茶の代表と言えば世界三大紅茶にも挙げられる「祁門(キームン)紅茶」です。中国紅茶は香り高く、基本的にストレートで飲むことが多いです。

 

紫砂の茶壺

祁門紅茶 (Wikimedia Commons user:Labrau)

祁門紅茶

「祁門紅茶」とは中国安徽省祁門県附近で作られる紅茶の一種で、「キームン」、「キーマン」や「キーモン」とも呼ばれます。1906年のパリ万博と1915年のパナマ万博で金賞を得た後、「世界三大紅茶」の一つと数えられるようになりました。「祁門香」という蘭のような香りを持ち、品質の高いものは特に香り高いです。香りが悪い粗悪品も多いので注意が必要です。

 

正山小種(ラプサンスーチョン)

「正山小種(ラプサンスーチョン)」とは中国福建省の武夷山の西部で生産される紅茶の一種。「正山」とは世界遺産でもある武夷山のことを指し、「武夷岩茶」という高級烏龍茶もこの地域で生産されています。

正山小種の茶葉は収穫後、松の煙で燻され、独特なスモーキーフレーバーを持ちます。

日本では、その香りは正露丸にたとえられることが多く、人によって好みが分かれることも多いです。

 

茘枝紅茶(ライチコウチャ)

「茘枝紅茶(ライチコウチャ)」は広東省広州市が産地で、同じ広東省特産のライチの果肉やジュースで味付けした紅茶です。ベースとなる茶葉は同じ広東省の英徳市の英山周辺で作られる英徳紅茶です。

 

紫砂の茶壺

紫砂の茶壺 (Wikimedia Commons user:Shizuha)

竹海金茗(チクカイコンミョウ)

「竹海金茗(チクカイコンミョウ)」とは紫砂の茶壺(急須)で有名な江蘇省宜興市で作られる紅茶で、発酵して黄金色になった白毫が特徴的です。水色は透明感のある淡い紅色。

 

九曲紅梅(キュウキョクコウバイ)

もともとは武夷山九曲で作られていた紅茶ですが、太平天国の乱が起きた際、農民が浙江省の杭州に移住したため、今は杭州郊外で生産されています。

 

*太平天国の乱:1851年に洪秀全率いる太平天国が当時の清で起こした反乱。